tonocchoのメモ

軽い気持ちで

みずほ銀行のシステム移行について思ったこと

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もと金融系SEとして要注目なイベントがついにスケジュールされたなと言ったところで、ちょっと感じたことをつらつらと思いつくままに書いておこうかと思います。ちなみに何か根拠があるわけでも何でもない単なる妄想ですw

まず、移行の理由で書いちゃってるんだけど、「今も三行のシステムが動いている」という点ですね。どのレベルでの併存かによって移行の難易度が変わってくるはずです。

例えば、旧三行の勘定系と情報系が今もそのまま動いていて、それを何かフロントエンドを立ててみずほ形式に変換して使っている、というような場合、コレはやばい臭がします。

勘定系と情報系はすでに一本化されているのであれば「現行のシステムから預金などのデータを取り出し、次期システムに適合する形式に変換して転送する作業を行う。」ということは考えないような気がするのと、「預金などのデータ」は多分勘定系のことを指しているでしょうから、きっとこのへんはまだ一本化されてないんだろうなぁと思います(プレスリリースの移行先に勘定系と情報系って書いちゃってるので多分この形式でしょう)。

さて、みずほ銀行の三行統合のときになんで一本化システムにしなかったのか(平成14年の時点ならまだそこまで重たくなかったような気がする、制度的にも重要度的にも)、という点については大前健一氏も結構批判していた気がします。確か、銀行の統合はそもそも新システムを作ってそこに各銀行をインポートしていく方式でやるのがアメリカでは一般的なのになんでわざわざリスキーなことしたんだよ、とかそんな論調だった気がします。

www.mizuhobank.co.jp

ちなみにここに実際の支店ごとの具体的なスケジュールが乗っていますが、この支店の組み合わせが何らかのグルーピングになっているということでしょう。

全店舗で一斉に行うとトラブルが発生するリスクが懸念されるため、グループに分けて約1年かけて段階的に切り替える。

ということですね。このグルーピングがどういう根拠なのかも気になるところ

  • 三行まとめての移行方式で徐々に一度の移行店舗量を増やす
  • 旧第一勧銀とか、旧富士銀行とかの区切りで一行ずつやっていく
  • 単にランダム、または店番を一定の規則でグルーピング

三行同時並行でやっちゃうと障害切り分けが難しくなるので、おそらく一行ずつやるのではと思います。2〜8回目は銀行のシステム移行なので、全7回、旧第一勧銀3回、旧富士銀行2回、旧日本興業銀行2回とかそういうのじゃないかなとか思いますが、みずほ信託銀行のシステム移行1発勝負なのは結構おっかないなぁ。第一回目に2013年から稼働している業務基盤を移行する、というのがちと意味わかりませんね。

次に移行の方法です。

多分ですが、以下のようになるのではと思います。

まず背景として、現時点で新システムの勘定系、情報系はすでに何らかの方法で旧情報系、旧勘定系のクローンになっていると思います。そして、新システム自体も各支店からの接続を待っている状態だと思います。各支店が持っている預金データの中で、銀行本体の情報系、勘定系に転送されていないデータについてが移行時の勝負どころなのでは。それをどうやるかというと・・・という話です。たしかそういうデータの転送は、店じまいの作業の中でやってたかと思います。曖昧ですね。

  1. 支店のデータを新旧両方のシステムに一旦接続し、転送未遂のデータを両システムに転送して取り込みテストを行う
  2. うまく行ったら業務の基本的なワークフローを一通り試して業務遂行に問題がないことを確認する
  3. うまく行ったら新旧両システムに繋いだまま店舗運営をする(または新システムにのみ繋いでデータを旧システムにクローンしながら運営する)
  4. コレを全店舗完了するまで続ける
  5. 全店舗完了して一定期間業務上障害がなければ旧システムを切り離す(データは切り離し後もクローンされている可能性はある)
  6. 旧システムを切り離しても問題ないことが一定期間確認されたら旧システムは停止、破棄となる(旧システムのデータはすべてバックアップされて保管される可能性がある)

旧システムを温存するだろうな、と思う理由は、フォールバックの問題です。いきなりガチャっと切り替えちゃうと、旧システムのデータが歯抜けの状態になる(移行済み店舗と移行前店舗で)ので、いざフォールバックしようとしてもかんたんにはできなくなってしまいます。毎日何百万件とかのトランザクションが発生しているでしょうから、それを整合とってきっちり復旧する作業はできないと思います。まぁ、フォールバックした時点でみずほ銀行はかなり危うい立場になるでしょうけど。

旧システム(100%)ー>新旧(30%)旧(70%)ー>新旧(70%)旧(30%)ー>新旧(100%)ー>新システム(100%)

という流れのようなものと予想しています。

なんにしても、4000億円かけたプロジェクトでやろうとしていることが実は本来三行統合の時点でやっていてしかるべきだったし、みずほ銀行が始まった時点で旧三行のシステムはすべて移行されて無くなっていて然るべきだったこと、これらが2004年の時点でできなかったこととそれを14年の時を経て負債を片付けた、という点は誰かもっと突っ込んで書いて欲しいどころですね。三行統合で4000億円、今回の新システムで4000億円、結局最終的な統合に8000億円かけた、ということで銀行のシステム統合がいかに難しいものであるかがわかろうというものです。東京三菱とUFJの統合が2000億で済んだかと記憶していますが、2行が合併するのと、3行が合併するのは難易度が格段に跳ね上がるということですね。

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みずほ銀行さんにはぜひ頑張ってこの困難な作業を成功裏に終えていただければと思います。